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大人の教養2のレビュー

 本書によると教養は2つの側面があるといいます。ひとつは”時代が動いても古びない普遍的な考えを身に着けること”、もうひとつは”ニュースの洪水の前にいったん立ち止まり、歴史や政治学、宗教や経済の知識を駆使して日々のニュースや出来事を捉えなおす力を養うことです”

 本書はそんなところからと思うところから解説したり、歴史を振り返って現在のトピックをそのアナロジーとしてみています。そんなところが本書がわかりやすい理由だと思います。

 「キャッシュレス社会と仮想通貨」について詳しく見ていきます。

 第2章「キャッシュレス社会と仮想通貨」ではそもそもお金とは何か根源的なことから考えています。なぜ紙切れに一万円の価値があるのか。それはお金をお金だと思っているから。お金とは共同幻想の上で成り立っています。アフリカで日本札を使おうと思っても両替しないと使えないでしょう。そこでは日本札はお金だという共同幻想は成り立ってないからでしょう。

 お金の起源について見ていきましょう。昔人々は市場に集まってものお物々交換してました。しかしこれは効率が悪い。相手が自分の欲しいものを持っている。かつ相手は自分の持っているものを欲している。この二つの条件を取引では満たす必要があります。例えば、自分が漁師で魚を持っていて、肉が欲しい場合を考えます。相手が肉を持っていても相手が魚が欲しくなければ取引は成立しません。

 そこで自分のものをみんなの欲しがるものに変えておく。日本ではそれが米や着物でした。前述の例だと漁師が魚を米に変えて、米で肉を交換すると肉を持っていた人は米で自分の欲しいものを交換することが出来ます。米だとかさばるので人々は金銀銅を交換の媒介にするようになりました。お金の始まりです。

 経済が発展すると金の量にかかわらず紙幣を銀行が発行する必要が出てきました。銀行への信頼と法律によって紙切れである紙幣がお金としての価値を持つようになったのです。

 ここで仮想通貨の1つであるビットコインを考えます。ビットコインは銀行のような信用機関がないのになぜ信用を保っているのか。それは取引の結果をブロックと呼ばれる塊で分けて共有しています。データを誰かが書き換えようにも全員で不正がないか見張ってるわけです。

 また、ビットコインでは10分おきに作られるブロックを確定するために複雑な計算を解かないといけません。この計算を解くと報酬としてビットコインがもらえます。これをマイニングといいます。なぜマイニングがあるかというと、ビットコインを改ざんしようとするととてつもない計算能力を必要とします。そうまでして改ざんするよりマイニングでビットコインを得たほうが効率がいいわけです。つまりマイニングは不正を防止する役割があります。

 お金には交換、蓄積、尺度の3の機能があります。仮想通貨はこの条件を満たすでしょうか。まず交換から。一部のお店では仮想通貨お使えるので、あるといえます。蓄積はスマートフォンやパソコンのウォレットで保管することができます。尺度はどうでしょう。値動きが激しく価値の尺度としては不安定です。

 僕が本書を読んだ感想はわかりやすく有益だと思いました。ブログを書いてる時点ではトピックが古くなっているところもありますが着眼点や知識はほかの物事を考えるうえで有用なので興味があれば読んでみてください。