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光子には毛がない?「ゼロから学ぶ量子力学」のレビュー

 本書のメインはシュレティンガーの方程式を解くことです。そのためには偏微分オイラーの等式が出てきて理解するのは少し大変でした。でも他の量子力学の本に比べるとわかりやすく書かれていました。

 

面白いと思った量子力学の話を紹介しようと思います。まず、ここに紙コップが二つあります。そこにお手玉二つ入れるとき分け方は何通りになるか。すぐ考えれば4通りになることが分かります。お手玉を区別してここでは赤色と白色としましょう。片方のコップに入っているお手玉を決めれば片方のコップに入っているお手玉も必然的に決まります。ので右に赤が一つ、白が一つ、赤が一つと白が一つ、何も入ってない、の4通りとなります。

 ではお手玉の代わりに光子を考えるとどうでしょうか。普通に考えると同じく4通りになるはず?しかし実際は違います。3通りです。どういうことかというと、光子はそれぞれ区別できません。光子には毛がないともいいます。お手玉のように赤と白と区別できないことになります。つまり、右に光子が1つ、光子が2つ、光子なし、の3通りなるわけです。不思議ですね。

 

光はあらゆる方向に振動しています。偏光板はある方向に振動している光だけを通します。垂直方向の偏光板に光を通すと、通過した光は垂直に振動している光だけになります。その後に水平方向の偏光板を置くとどうなるか。答えは通過する光がなくなります。垂直方向に振動する光だけが入ってくるので当然ですね。

 ここで二つの偏光板の間に45度傾いた偏光板を置くとどうなるのか。意外なことに水平方向の偏光板から光が通過するようになります。不思議ですね。

 

 他にもERPパラドックスの話とか、量子力学と場の融合の話、シュレティンガーと猫の話など興味深い話題があるので興味のある方は読んでみてください。