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「数学する精神」のレビュー

 今回の記事では「数学する精神」について読んだ感想を書いていきます。僕はこの本を読むまで、数学は計算をするだけの無味乾燥な作業で一方通行の行為だと思ってました。でもこの本を読んでいくうちに考えが変わっていきました。この本ではいろいろなトピックスを扱っていますが、ここではユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学を紹介します。

 この2つを分けているのはある直線があってその直線上にない点を考え、それを通る平行線は1つだけか、それとも複数引けるのかで前者と後者に分けることができます。ヘーゲル不完全性定理によると、ある公理系が無矛盾であるかはその公理系の中では分からない。どちらの幾何学が正しい決めるためには別の公理系を考える必要がある。でもその公理系が正しいか判断するためにはまた別の公理系を持ってこなければならず、結局判断することができない。

 このように数学の中には正しいのか正しくないのかわからない要素がありその意味で恣意的であるといえます。数学に人が意味を吹き込んでいるとも言えます。そんな視点を提供してくれたこの本を面白いと感じました。他にもパスカルの三角形と二項展開とコンビネーションの計算は実は同じことを指しているなど、高校の時に丸暗記した内容に意味をもたらしてくれた面白い話があるのでぜひ読んでみてください。