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教養とは過去を未来に生かす技術。「大人の教養3」のレビューその1

 本書は大人の教養の3作目で著書は池上彰です。未来は不確実で不透明です。そんな未来を過去の経験や失敗から学び備えることが本書の主題になります。では各章についてザックリ内容を見ていきましょう

 1気候変動-地球はもう限界なのか?

 日本ではよく地球温暖化といいますが国際会議など公の場では気候変動と呼びます。産業革命以降、二酸化炭素の排出量が急増しています。石油や石炭を人類が燃やしているためです。これにより統計を取り始めた1891年以降100年あたり0.68度の割合で上昇していることが分かっています。

 温暖化が進むと何が起こるのか。日本でマラリアが発生するのではないか危惧されています。2016年にはロシアのヤマル半島で炭疽症の集団発生があり死者も出ました。温暖化の影響で永久凍土の氷が融け、そこにいたトナカイに残っていた炭疽菌が他の動物を媒介に人間に感染したからだといわれています。このように永久凍土から過去の病原菌が現れ人間に感染するかもしれません。

 また南太平洋ソロモン諸島のタロ島では島が海面上昇により浸食され800人の移住が決まっています。他にもツバルやキルバスなど水没の危機にある島がたくさんあります。国連の予測では2050年までに気候変動に起因する難民は2憶人達する見通しです。そんな数の難民をどう受け入れるかという国際的な問題があります。

 各国の環境問題への取り組みについて見ていきましょう。中国では環境対策技術に力を入れており、太陽光発電では世界のシェアを1位から3位まで独占し、風力発電も世界トップです。習近平国家主席は2030年までに二酸化炭素の排出量を減少に転じさせ、2060年までに実質ゼロにすることを表明しました。

 イギリスでは2030年までにガソリン車の販売を、2035年までにハイブリット車の販売を禁止する政策を出しています。EU諸国もガソリン車から電気自動車に転換するという流れは一致しています。

 なぜ日本車は世界を席巻できたのか。1970年代アメリカでマスキー法が成立されました。これは排気ガス中に含まれる一酸化炭素炭化水素、窒素化合物を従来の十分の一にしなければ自動車を販売できないというものでした。日本は死に物狂いで技術革新に力を入れ、この基準をクリアする自動車を作ることに成功しました。こうして日本車は世界市場を席巻したのです。

 温室効果ガス削減についても同じことが言えるかもしれません。政府が規制し企業が本気で技術開発すれば日本も世界をけん引できるかもしれない。しかし、現状は中国やヨーロッパに後れを取っています。2020年代に気候変動問題にどれだけ本気で取り組めるのか日本の未来を左右するでしょう。

 この章を読んだ感想を書いていこうとおもいます。ここでは書いてませんがアメリカは世界最大の産油国だそうです。今まで中東の国が1位だと思っていたので驚きました。僕は今20代なので環境問題は他人事じゃないですね。月並みの感想ですが、買い物に行くときエコバックを持参するなど小さいことから環境問題に向き合っていこうと思いました。

 僕の読解力が低いせいで長くなっちゃいました。長い文章を書くより短い文章を書くほうが難しいという話は本当だったとわかりました。本書のレビューは6つに分けようと思います。気になったという人がいれば本書を読んでみてください。